シールド(SHIELD/XSH)は2017年11月に匿名仮想通貨バージ(Verge/XVG)ハードフォークした匿名性の高い仮想通貨です。Verge(バージ)との違いは「量子コンピューター耐性」のコンセプトを基にしている点です。ハッキングに対する高い防御性能が特徴で特に日本で人気のある仮想通貨です。
シールド(SHIELD/XSH)の国別保有率
シールド(SHIELD/XSH)の国別保有率は27%で日本がトップです。
https://www.coinexchange.io/network/peers/XSH
シールド(SHIELD/XSH)はcryptobridgeで簡単に購入する事が出来ます。cryptobridgeの使い方は下記の記事を参考にして下さい。
分散型取引所CryptoBridge(クリプトブリッジ)の使い方とステーキング方法を解説
2018年4月には仮想通貨として初めてLINEとの提携も実現し、価格急騰を見せました。今回は、シールド(SHIELD/XSH)について今押さえておくべき情報をまとめてみました。見出しは大きく分けて下記の3部構成になっています。
シールド(SHIELD/XSH)とは?
「量子耐性」を含む技術的特徴を解説
スマホで使いやすい関連サービス
目次
シールド(SHIELD/XSH)のとは?
SHIELD公式サイト・Twitterアカウントには、収益化モデルについての記載は一切ありません。それどころか、「XSHを他の通貨(日本円やビットコインなど)に交換することを推奨しません」と積極的に売買取引を否定しています。
投資目的で保有するのではなく、実用性のある通貨として普及することを願って開発が続けられています。
Please note that exchanges are not a reliable way to store your XSH long term
シールド(SHIELD/XSH)の基本情報
発行上限数 | 6億6千万XSH |
発行済み枚数 | 約5億800万XSH(2018年5月3日現在) |
ブロック生成時間 | 45秒 |
コンセンサスアルゴリズム | PoS Booへ移行予定 |
特徴 | 量子耐性実装予定 |
アルゴリズム | x17・blake2s,・lyra2rev2・myriadgroestl・scrypt |
その他 | ICO・プレマイン無し |
公式サイト | http://shieldcurrency.com |
ホワイトペーパー | http://www.shieldx.sh/SHIELD.docx.pdf |
シールド(SHIELD/XSH)のチャート推移
過去最大は42円です。
最近は6円程度ですね
マイニングについて
シールド(SHIELD/XSH)日本公式Twitterで情報あり
そろそろ半減期になりますか?
— tvtube (@tvtube_co) January 6, 2018
シールド(SHIELD/XSH)のマイニングに関しては、2018年に半減期を迎えてマイニング報酬が半分になってしまいました。一時期40円ほど値をつけていたシールド(SHIELD/XSH)ですが、現在は5円程度です。ですのでシールド(SHIELD/XSH)をマイニングするよりも、NiceHashでマイニングを行って取引所で購入する方が断然良いです。
NiceHashの使い方は下記の記事を参考にして下さい。
NiceHash(ナイスハッシュ)でマイニングする使い方を完全網羅!設定からウォレットへの引き出しまでの方法を解説
価格が15円を超えた辺りからシールド(SHIELD/XSH)をマイニングするメリットが出てきますよ
シールド(SHIELD/XSH)の特徴
シールド(SHIELD/XSH)の最大の特徴は、51%攻撃のリスクが少ないアルゴリズム「PoS Boo」の導入予定と、次世代コンピューターに対する高いセキュリティ性能です。これとともに報酬の平等化も実現しているため、絶大なマイニング人気を誇っています。
2018年4月には、「発行上限数を7億5千万XSHに引き上げる」と述べられています。今後も段階的引き上げを行う姿勢で、開発・普及に前向きであることが分かります。
人数・国籍一切不明の開発陣
開発グループの本名はもとより、組織図や人数・どのような国籍の人がいるかは、一切判明していません。日本語版ホワイトペーパー・後述するウォレットアプリで確認できる流暢さから、日本語ネイティブの人物が在籍しているだろうと予測できます。
他の仮想通貨では、開発組織にいる人物のネームブランドを利用する・そして流通している大半の通貨を開発側で保有するということがまかり通っています。
しかしシールド(SHIELD/XSH)では「プロの技術者や実業家がいる」などといったことは一切アピールせず、プレマイン(※)やICOも行っていません。
開発資金の調達方法として、ホワイトペーパーでは以下のように述べられています。
マスターノードとマイニング報酬の一部で事足りる
マイニングプールからも支援を受けている
何よりもシールド(SHIELD/XSH)を愛好するコミュニティの維持が第一だということ、開発サイドは最小限の報酬しか受け取らないことを明確にしています。
プレマイン
…マイニングへの自由参加を募る前に、開発陣・開発陣が指名した人だけで採掘を行うこと。仮想通貨の全流通枚数のうち、一定数を開発サイドで保有します。
通貨の市場価値の乱高下防止というメリットもありますが、「事実上の中央集権体制を狙っている」と批判を受けています。
日本の開発運営メンバーは下記のサイトで見ることが出来るぞ
ロードマップ
シールド(SHIELD/XSH)のロードマップ・開発進行状況・公式ブログの記事から、2018年中の予定を挙げます。
2018年5月現在進行しているプロジェクト
iOS版ウォレットアプリの開発
SNSで投げ銭できるシステムを開発・リリース
匿名性の強化2018年Q2(7~9月)
マスターノード実装
PoS Boo(プルーフ・オブ・ステークへの移行)
スマートコントラクト実装2018年Q3(10~12月)
スケーラビリティの向上
量子耐性の完成(ゴール地点)
シールド(SHIELD/XSH)の需要が増えるタイミングとして考えられるのはマスターノード実装とPoS(プルーフ・オブ・ステーク)への移行です。
これらの予定が集中しているQ2です。特にマスターノードは、他仮想通貨でも実装されるタイミングで価格が高騰する傾向にあります。
後述する「LINE SHILED WALLET」の新規利用登録が再開される時期も、価格高騰が予測されます。
シールド(SHIELD/XSH)の特徴1「量子耐性」
シールド(SHIELD/XSH)が日本人投資家にも注目されるようになったのは、ホリエモンこと堀江貴文氏の発言です。
量子耐性のある暗号通貨のプロジェクトはポテンシャルあるね
量子コンピューターも降参 解読困難な新暗号 (日本経済新聞) – https://t.co/1Ltdvj8ptD— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) January 7, 2018
ここで言及されている「量子耐性」について解説します。
量子コンピューターの危険性と対策の仕組み
量子コンピューターに対して、現在普及されているコンピューターは「古典コンピューター」と呼ばれます。両者の違いは次の通りです。
今のコンピューター:0または1など、2つの値で表現する「ビット」を用いる
量子コンピューター:3種以上の様々な状態を表現する「量子ビット」を用いる
従来のコンピューターは電源のONとOFF(1と0だけ)でしたが、量子コンピュターは0と1の間の情報を使って演算処理を行うので演算処理能力が爆発的に増えます。
上向きの力と下向きの力を重ね合わせたイメージ
https://web2.ph.utexas.edu/~coker2/index.files/double_slit.gif
量子ビットにより、これまでとは全く違う仕組みで並列計算が出来るようになります。量子コンピューターは古典コンピューターの1億倍の計算能力を持つとされ、仮想通貨と一心同体の関係にある「暗号通信」が破られてしまうと予言されています。
たとえば秘密鍵が解読されて通貨を盗まれる可能性やマイニングを行えばあっという間に採掘してしまう可能性もあります。
このような事態を簡単に引き起こせるのが、量子コンピューターです。
日本ではNECが2023年に量子コンピューター実用化を明言しており、この対策は仮想通貨だけではなく・暗号通信を活用する全てのIT技術における課題とされています。
「ランポート(Lamport)署名」とは
シールド(SHIELD/XSH)の量子耐性の要となるのは、暗号化方式「ランポート署名」です。この署名を破るには、量子コンピューターでも長い計算時間を要します。
マイクロソフトの研究所で勤め、コンピューター科学分野の最高栄誉である「チューリング賞」を受賞したレスリー=ランポート博士が考案しました。AI研究でも活用されている、最新のデジタル署名方法です。
ランポート(Lamport)署名の仕組み
ランポート(Lamport)署名では、暗号化したいデータを256対(総数512個)のハッシュ値に変換します。これをさらに0と1の配列である2進数に直したものでデータに署名し、ハッシュ値の一対と署名だけをデータ受領人に渡します。
送信者・受信者双方のもっている暗号を盗んで、それらをもとに総当たり式で計算を行えば、いずれ解読することができます。ただしランポート署名だと、量子コンピューターを使っても解読に(理論上)約256分かかることになります。
ホワイトペーパーには、ランポート署名以外にも複数の暗号化技術を採用する予定だと記載されています。
2018年末のQ4をもってシールド(SHIELD/XSH)の量子耐性は完成する見込みです。
シールド(SHIELD/XSH)の特徴2:「プライベートセンド」
シールド(SHIELD/XSH)ならではの2つめの特徴として、仮想通貨Dash(ダッシュ)で導入されたコインミキシングサービス「PrivateSend(プライベートセンド)」が実装されています。
これは「アドレス間の資金移動を難読化させる」ことを目的としており、文字通りプライバシーを守りながらSHIELDの入出金操作が出来ます。
プライベートセンドの仕組み
特定のマスターノードに取引承認を依頼すると、複数の送金情報をシャッフルして管理してくれます。こうすることで、部外者がウォレットアドレスで取引履歴を確認しても「誰が誰にXSHを送ったのか」分からなくなります。
ただし、プライベートセンドを利用する(マスターノードに依頼する)ための条件があります。
条件1:送金額が1000XSH以下
条件2:自分を含めて、同一マスターノードに3名以上の依頼がある
これらを満たせば、依頼が可能となります。
シールド(SHIELD/XSH)の特徴3:PoS Boo
PoS(プルーフ・オブ・ステーク)への移行が決定していますが、SHIELDではさらに独自のスキームを活用します。このコンセンサスアルゴリズムは「PoS Boo」と呼ばれます。
PoS Booの目的は以下の2つです。
51%攻撃の防止
マイニング報酬の不公平化
シールド(SHIELD/XSH)を大量に保有してブロックチェーンに攻撃をしかけようと考える場合、発行済み枚数のうちの大部分を取得する必要があります。
採掘済みブロック高と市場流通量を参照すれば攻撃の可能性を予測できますし、そもそもXSHを攻撃可能な数だけホールドすることが非現実的です。
加えて、トランザクションの検証方法にも特徴があります。
マイニングの際「正しい」と思うブロックに投票します。票数を一定以上集めたブロックを採掘・報酬が確定すると、採掘者の信頼性(システムが過去の採掘履歴などから自動判断したもの)に応じて分配されます。
たとえ信頼できる採掘者でも、報酬目当てで意図的に投票操作した場合、保有XSHの一部または全部を失うことになります。
以上がシールド(SHIELD/XSH)の採用するPoSの構想です。
シールド(SHIELD/XSH)のマイニング
シールド(SHIELD/XSH)は5つのアルゴリズムで採掘可能です。PoSへ移行したあとは、現在のマイニング方法・PoSアルゴリズムのいずれでもマイニングできるようになります。
マイニングプール一覧
現在稼働しているマイニングプール・対応アルゴリズムは次の通りです。
プール名 | myr-gr | x17 | blake2s | lyra2v2 | scrypt |
XSH uMine pool※ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Bilbotel※ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Antminepool | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Bigmine | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
uMine | 〇 | ||||
Nlpool | 〇 | 〇 | 〇 | ||
TheBSODPool | 〇 | ||||
N-Engine | 〇 | ||||
Mining-Dutch | 〇 |
XSH uMine pool・Bilbotelの2カ所では、プール内で徴収する手数料の全額をSHIELD開発資金として寄付しています。
SHIELD LINE WALLET
LINE株式会社が仮想通貨事業に参入した翌月2018年4月、アプリを活用してSHIELDの管理・入出金ができる「SHIELD LINE WALLET」をテストリリースしました。
利用方法は簡単で、LINE@からSHIELD公式アカウントを友達登録するだけです。
※2018年5月3日現在、利用者殺到によりサーバーダウン・一時的に友達登録できない状態です。
ウォレット利用者が殺到しており、通信障害が発生しています。投資家以外の一般人によるSHIELD保有が広がっており、キャッシュレス決済に代わる取引手段として期待できます。
CryptoCandy(クリプトキャンディ)
「SHIELD LINE WALLET」で起きた通信障害により返金対応が生じ、それに伴ってリリースされたウォレットアプリです。現在はAndroid版のみ・iOS非対応となっています。
こちらもLINEアカウントと同期させることができます。残高照会や入出金機能・アドレス帳なども備え、完全日本語対応しているのが特徴です。
SHIELDのコミュニティ
シールド(SHIELD/XSH)ファン同士のコミュニティは、DiscordのSHIELD_JPサーバーが最も活発です。
それ以外にも、開発ブログ上での質疑応答・ロードマップ進行状況についての更新が頻繁に行われています。
いずれも、シールド(SHIELD/XSH)ホルダー・マイナーともに是非のぞいてみたい場所です。
シールド(SHIELD/XSH)Discordサーバー
チャート分析・技術についての議論・初心者向けの質問チャンネルに加えて、シールド(SHIELD/XSH)マイニング専門で情報交換するチャンネルがあります。全体で数百人のシールド(SHIELD/XSH)ファンが参加しており、リアルタイムで会話できる最大級のコミュニティです。
https://discordapp.com/invite/auygdCv
シールド(SHIELD/XSH)公式ブログ
ロードマップの進行状況や技術仕様について詳しく解説しているのが、開発公式ブログです。ここではPos Booの仕様説明やマイニング報酬の計算方法といった重要な情報に加えて、シールド(SHIELD/XSH)経済圏について日本語で書かれた記事もあります。
Twitter日本語アカウントでの最新重要ツイートは、以下の通りです。
Stocks Exchangeをご使用の皆さまへ。
SHIELD開発陣はStocks Exchangeが取引所として様々な問題を抱えていると判断し、Stocks Exchangeにおける上場廃止を申し出ています。4月25日以降は売買や送金ができなくなる可能性がありますので対応はお早めにお願いいたします。#XSH #SHIELD_JP #SHIELD $XSH https://t.co/Q83L8HiPCn— SHIELD_JP (@SHIELD_JP) April 22, 2018
4月末日で上場廃止となった該当の取引所ですが、その申請についていち早く報告しています。この次のツイートで「Coin Exchangeを推奨する」という公式見解を改めて示しています。
シールド(SHIELD/XSH)のまとめ
量子コンピューターで従来の暗号化通信がやすやすと解読できてしまう問題は、仮想通貨業界でも大きな問題となっています。量子耐性のある銘柄は限られていますが、シールド(SHIELD/XSH)はそのなかでも最も有名な仮想通貨です。
シールド(SHIELD/XSH)の魅力をまとめると次の通りです。
開発にビジネス的野心がないが日本の運営はビジネスやマーケテイングに積極的
セキュリティと匿名性を最重要視しているが匿名性については柔軟に対応する
ロードマップの実現目途がたっている
ファンのコミュニティが活発
LINE株式会社とも提携済み
モグラはシールド(SHIELD/XSH)のおかげでマイニングの初期費用をかなり回収出来ました。個人的にかなり好きな通貨です。日本の取引所に未上場な点もポイント高いですね。
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