BitZeny(ビットゼニー/ZNY)は、日本発信の仮想通貨としてモナコイン(Monacoin)に続く形でリリースされました。両者は比較されることが多く、それぞれの支持派の間で論争が起きることもあります。
ビットゼニーの歴史
ブロックチェーン技術に関する基本情報
モナコインとの比較
以上をもとに、ビットゼニーのメリットや問題点を分析します。
目次
ビットゼニー(BitZeny/ZNY)を購入できる取引所
ビットゼニー(BitZeny/ZNY)を購入するならCryptoBridgeがで購入がおすすめです。分散型取引所なのでセキュリティーレベルが高く、さらに日本未上場の様々なコインも豊富です。CryptoBridgeの登録方法や使い方は下記の記事を参考にして下さい。
分散型取引所CryptoBridge(クリプトブリッジ)の使い方とステーキング方法を解説
動画でも誰かが解説してくれていたぞ
他にもC-CEXやStocks.Exchangeで購入可能です。
ビットゼニーの歴史
BitZenyの構想が固まったのは2014年夏頃で、開発者と名乗る人物がアップデートを繰り返していました。当時話題になっていたビットコインを基本に作られ、2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)で試験運転が始まりました。
開発者が行方不明になる
正式リリースは2014年11月ですが、「ビットゼニーの開発者」を名乗る人物は10月を最後に消息不明となっていました。誰が開発してもよい・匿名参加可能と宣言されていたものの、開発者がいなくなった衝撃は大きいものでした。
「見捨てられ通貨」とすら呼ばれることがあり、マイナー(採掘者)総数が全世界で10名を下回る状況がしばしばありました。
モグラ的にはこれが一番気になる点、プログラマーならわかると思うけど自分のサービスを誰かが使ってくれている限り頑張ると思うんだよね、辞める場合はちゃんとアナウンスするとおもう。そのどちらでもない行方不明ってのはかなり引っかかる点だよ
2015~2016年にかけてメディア紹介の多かったモナコインと比較しても、同時期にBitZenyの一般メディア露出は確認できません。
この頃は、価格も0.005円以下/ZNYを推移しています。
2017年末の開発再開
仮想通貨全体の価格が急騰していた2017年末、Twitterで開発者を名乗る人物が出現しました。
たぶんBitZenyの開発者です。少しずつですが活動を再開したいと思います。これまでBitZenyを支えていてくれたコミュニティの方々に感謝します。3年間放置して続いていたとは…ブロックチェーンって本当にすごいですね!
— bitzeny (@bitzeny) December 20, 2017
このつぶやきのあと、http://bitzeny.orgが更新されて「本物」であることが分かります。
すでにBitZenyには、開発者不在の間一時増加したマイナーの急減・51%攻撃やスケーラビリティ問題の発生など、様々な課題な山積していました。
BitZenyの新しい公式はhttps://bitzeny.techってサイトらしいです。
これと前後するように、BitZenyフォーラムでソフトフォークに向けた改善策が提示されています。
BitZeny2.0のリリース
2018年1月28日、BitZeny2.0がリリースされました。以前の技術仕様からリニューアルされた内容を紹介すると、以下の通りです。
変更点1:ベースとなる技術をBTC0.9→0.15.1へ
→最新技術であるSegwit/ライトニングネットワーク/アトミックスワップの実装が可能に
※上記3つの実装について、具体的なことは決まっていません。
変更点2:軽量化した新しい公式ウォレットのリリース
変更点3:マイニングソフトのリニューアル
これまで技術的に停滞・他通貨に大幅な遅れをとっていたBitZenyですが、このアップデートでようやくビットコインベースの他通貨と同じ土俵に立てるようになりました。
ビットゼニーの基本情報
ここで、現バージョンであるBitZeny2.0の基本的なスペックを紹介します。
アルゴリズム:Yescrypt0.5
発行上限量:2億5千万枚
ブロックあたりの発行枚数:50万ブロックごとに250枚→125枚→62.5枚
ブロック生成時間:90秒
難易度アルゴリズム:DarkGravityWave3
これらの技術仕様については、最初期の開発者(2017年末に復帰宣言のあった人物)についてコメントが公開されています。これを紹介しながら、BitZenyの特徴を解説します。
CPUマイニング向きのアルゴリズム
アルゴリズム「Yescrypt」が採用された理由は、ビットコインで採用されているSHA-256のセキュリティ性向上・ASIC(マイニング専用集積回路)耐性の両方を実現するためです。開発者も以下のようにコメントしています。
「普通のハッシュアルゴリズムでは、サーバー(CPU)の計算効率がASICの計算効率よりもひどく劣っていることが問題です」(一部抜粋)
BitZenyの採掘においては、マシンの計算能力よりキャッシュメモリ(CPUやGPUで処理を行う際にデータを一時保管するスペース)が重要です。マイニングで好んで使われているグラフィックボード・ASICだと、キャッシュメモリが少ないも多くあります。
結果的に、高性能マシンより一般家庭に普及している古いパソコンのほうが採掘向きであるケースが多々あります。一般の個人ユーザーが気軽にマイニングしやすい(競争しなくてもいい)という特徴を備えます。
これが、BitZeny最大のメリットです。
ただし、実際は楽観的な状況ではありません。GPUやASICでの採掘者が出現しており、彼らがBitZeny固有の問題を引き起こしています(後述)。
チャート分析
ここで、BitZenyの価格推移を確認してみましょう。
https://www.coingecko.com/en/coins/bitzeny
2017年末には一時40円の大台に乗ったものの、その後は低調な動きが続いています。
2018年4月29日現在は、モナコインがツイキャスで「投げ銭」として使えるようになったことを受け・BitZenyへの期待感から上昇傾向にあります。
次に、2017年に高騰するまでのチャートを確認してみましょう。
https://www.coingecko.com/en/coins/bitzeny
2017年8月にようやく0.1円台となっています。
2018年1月初旬に40円から20円の下落を見せていますが、BitZeny2.0リリース直前には37円/ZNYまで持ち直しています。
ビットゼニーで注目されているのは、特にソフト/ハードフォークに関する情報
※技術面で他仮想通貨に追いつくタイミング
であり、今後のアップデートに関する情報は見逃せません。
開発と運営体制
リリース前より、BitZenyフォーラムで参加表明した匿名・有志のメンバーで開発が続けられています。個人名または特定のグループで開発・運営を続けるのではなく、フォーラム上で提案されたプロジェクトの賛同者が各々の課題をこなす形で行われています。
2018年4月現在、上記フォーラムで参加表明の多いプロジェクトは
マイニングアプリ(iOS)版の開発
マイニングプールの新設
BitZeny2.0の検証
以上の3つです。
マイニングに関する技術開発や運営については積極的ですが、BitZeny決済の普及については消極的な姿勢が伺えます。
ここからはモナコインとの比較を行います。
最初に、マイニングしやすさ・その技術から考察しましょう。
ビットゼニー(BitZeny/ZNY)マイニングについてモナコインとの比較してみる
仮想通貨の流動性・市場価値を決めるのはマイナー(採掘者)達といっても過言ではありません。ASIC(マイニング専用集積回路)への耐性を持ち・報酬が公平になるマイニング仕様を導入しているものとして、ライバルはモナコインになります。
BitZenyは国産マイニングプールが豊富
マイニングプールとは、協力して通貨を採掘するためのサーバー(サイト)です。マイニングプールの数は、その仮想通貨を保有・新規発行する人の数の目安でもあります。
BitZeny…25サーバー以上
代表的なプール
・Bluepool.info・Daddy-Pool・LA Mining Pool・ZenyMDpool・Lycheebit
・うさぎコイン発掘所・みそスープール – Miso Soupool・寛永通宝・N-Engine など
モグラはユーザー登録不要で直ぐにマイニングできるBluepool.infoを使っているよ
※BitZenyフォーラムでプール開発中と宣言しているユーザーが多数おり、今後も増加する予定
モナコイン…4サーバー
代表的なプール
・温水プール・VIP Pool・ASICpool.info・LA Monacoin Pool
モグラはVIP Poolを使っているよ
ASICpool.infoはサーバーが安定していなくて、よく止まっているからおすすめしないよ
※モナコインはすでにマイナー同士・プール同士の競争が激化しており、新規プールの開設は期待できません。
ビットゼニーはプール開発・運営が簡単で、モナコインと比べると多種多様なプールが揃っています。
これにより各プールにかかるサーバー負荷を分散することができ、結果としてマイニング新規参入しやすくなっているのが特徴です。
GPUでマイニングできる矛盾
BitZenyが「Yescrypt」を採用しているのに対して、モナコインは「Lyra2REv2」を採用しています。
どちらのアルゴリズムも省電力とASIC耐性を目玉にしており、これも含めて両者の技術的・コンセプト的な相違はほとんどみられません。
モナコインはこれまで、ソロマイニングに向けた高速化・世界初のSegwit導入といった独自のアップデートを繰り返してきました。
BitZenyはマイニング仕様が停滞している
一方でビットゼニーは、前述したように長らく開発が停滞しています。本来CPUマイニングしかできないというコンセプトにもかかわらずGPUでマイニング可能です。GPUマイニングでビットゼニー(BitZeny/ZNY)をマイニングすればわかりますがCPUマイニングの何倍も発掘可能です。
モグラも実験的にGPUでマイニングしたらプールで一番になってしまいました。しかし、今の相場だとNiceHash(ナイスハッシュ)でマイニングしてビットゼニー(BitZeny/ZNY)をCryptoBridge(クリプトブリッジ)で買ったほうが効率が良いです。1ZNYが20円を超えてくるとGPUマイナーが一気に流れ込んでくるから注意してね
マイニング方法は下記の記事で完璧に解説しています。
BitZeny(ビットゼニー)のマイニング方法の完全版!グラボで掘る究極奥義も伝授するぞ
恐らくかなり前からGPUマイニングでビットゼニー(BitZeny/ZNY)を発掘したマイナーがいるのでは?と思います。
BitZenyの発行済み枚数問題
ここで、ビットゼニー・モナコインそれぞれの流動性を考察してみます。
BitZeny…
採掘済み:約120万ブロック(これまでの半減期は2回)
発行済み枚数:約2憶枚(発行上限の75%)
モナコイン…
採掘済み:約131万ブロック(これまでの半減期は1回)
発行済み枚数:約2,900万枚(上限量の35%)
※発行済み枚数の計算方法…採掘済みブロック数×1ブロックあたりの発行枚数
ビットゼニーは3/4が採掘済みで、ハードフォーク(分裂)または通貨流動性向上が目前の課題となっています。
しかし普及に向けた議論はほとんど行われず(前項の「開発と運営体制」参照)、今後のアップデートについての見通しもはっきりしておりません。初期開発者の復帰後、まだ体制が混乱しています。
前述した大量ホルダーは、採掘者が著しく減っている時期(初期開発者が音信不通になっている間)に地道にマイニングしていた人です。BitZenyに新しいニュース・好材料がない場合、彼らが見切りをつけ・ZNYを市場に大量に放つ可能性があります。
以上を踏まえると、モナコインと比較して価値暴落リスクが高いと言えます。
参考
http://namuyan.dip.jp/MultiLightBlockExplorer/index.php?page=selectcoin&coin=zeny
ビットゼニー(BitZeny/ZNY)の使い道についてモナコインと比較する
次に、蛇口(Faucet)や決済サービスを比較します。
蛇口(Faucet)一覧
BitZeny…サイト
なげせんch…質問に回答するとZNYがもらえるBitZenyコミュニティ
モナコイン…サイト
AskMona…質問に回答するとMONAがもらえるモナコインコミュニティ
最も大きな違いは、フォーラム・コミュニティでの報酬有無です。
モナコインだとAskMonaで回答することにより、Monaをもらうことが出来ます。ビットゼニーでは、フォーラムや開発参加による報酬はありません。
決済サービスの普及状況
中~大型チェーンでビットゼニー決済を導入しているお店はまだありません。
全国でみると、
飲食店:4店舗
整体鍼灸院:2店舗
その他:2店舗
の合計8店舗です。
microzeny
microzeny はあらゆる BitZeny のやりとりをサポートする BitZeny 専用決済ポータルサービスです。
BitZenyとMONA両方使える
音楽を投稿しよう!投げ銭をしよう!
モナコイン、ビットゼニー、NEM、XRPで投げ銭ができる音楽投稿サイト「tipmusic」!どんどん曲を投稿したり、投げ銭したりしてくださいね!
http://retoruto.php.xdomain.jp
モナコインだと、パソコンショップアーク・Bitcoinmallといった大手オンラインショップで使えます。以上のような中~大型チェーン店での導入実績は限られているものの、全国40カ所以上の店舗で使えます。
普及については、モナコインに対して大幅に遅れをとっていると評価せざるを得ません。
最新のニュース・メディア紹介歴
BitZenyは2018年に入って、ようやくメディア紹介されました。その内容を確認しましょう。
日経Linux(2018年4月8日発売)
中級車向けのパソコン雑誌で、Linuxを使ったマイニング方法として紹介されました。
決済手段や投資価値のあるものとしてではなく、未経験者向けのマイニングの一例という側面の強いものです。
リリース以降初のメディア紹介となります。
モナコインがツイキャス投げ銭に対応/ビットゼニーも続くか?
「モナコインでの投げ銭に対応」というツイキャス公式の発表が、今月4月にSNS上を騒がせました。ツイキャスは有名ユーチューバー・ニコニコ動画配信者のライブサイトとして支持を得ており、サブカル界隈では屈指の知名度です。
しかし、この投げ銭サービスがBitZenyに対応するかの情報は、今のところ出ておりません。
ツイキャス発表直後のモナコインは一時2倍近くの高騰を見せたため、BitZenyに関する前向きな動きに期待がかかります。
仮想通貨ビットゼニー(BitZeny/ZNY)のまとめ
モナコインの対抗馬としてデビューしたBitZenyですが、2.0アップデートによりこれまでの問題がどう改善されるかはまだ分かりません。
現在まだ解決できていない問題は、
高スペックマシンでの採掘参入に対処できていない
すでに発行上限数の3/4が採掘されている
にも関わらず、普及や知名度向上が進んでいない
初期開発者が復帰したばかりなので、今後は大きく状況が進展することも考えられます。
価値が上がるきっかけ(好材料)として期待できるのは、
新技術の実装(Segwitやアトミックスワップ・ライトニングネットワーク)
CPUマイニングをより有利にするアップデート
ハードフォーク(分裂)や決済手段普及など、採掘者にとって魅力的な内容のロードマップ
因みにモグラは5万ビットゼニー(BitZeny/ZNY)持っているよ!日本の仮想通貨ってかなり価値があると思うんだよね。それについては別の記事で詳しく書きたいと思うよ
コメントを残す